出井州忍(でいずにん)先生を偲ぶ
- 2015/01/20
- 00:21
ジャンプのような超メジャー紙で描いていたような漫画家であれば、亡くなったという知らせはすぐに出回るのですが少しマイナーな漫画家だと亡くなってしばらくしてから誰かのツイッターやブログの記事で亡くなったと知るケースがあります。
出井州忍先生もそんな一人で、亡くなった2012年からもう3年も前の事になるのに私が知ったのはつい最近の事でした。
この方はペンネームを幾つか使い分けていて、谷間夢路の名前の方が有名かもしれません。
そちらの名前ではホラー漫画を中心に描いていたようで、私は寡聞にしてそちらの方は詳しくありませんでした。
出井州忍(でいずにん ディズニーのもじり)先生は1943年生まれ。
15歳で鬼童譲二の名前で貸本漫画家としてデビューし、のちに少年チャンピオンに出井州忍の名前で「釣ったれ名人」を連載。
同名で官能劇画を含む、様々なジャンルで活躍し、後に谷間夢路の名前でホラー作品を多数発表。
2000年以降はインターネット、ブロードバンド、携帯をステージにした動きと音を組み込んだ新しい時代のマンガ、「ムービングマンガ」とアニメを制作発表していましたが、2012年に69歳でお亡くなりになりました。
そんな出井州忍先生ですが、このブログで改めて取り上げる理由はただ一つ。
母子相姦漫画と縁深い方であり、歴史上エポックメイキングな存在だからです。
とはいえ、私が把握している先生の母子相姦作品は二つだけ。
「義母」1987年
義母
「順子先生すくらんぶる」1990年
順子先生すくらんぶる
いずれもフランス書院から発売されていました。
フランス書院と言えば、あの懐かしい文庫サイズの黒い装丁の本ですね。
特筆すべきなのはその発売年です。
何とあのロリコンが圧倒的な優勢だった80年代から90年初頭の時点で母子相姦のアダルトコミックを描いているのです。
記録に残っていて、かつ今でも手に入る可能性が高い著作ではおそらく国内最古クラスの母子相姦コミックではないでしょうかね。
劇画ではそれ以前にも存在したと思いますが、何しろ劇画は単行本化していない作品が多いですし、現在手に入るか、それ以前に当時どんな母子相姦作品がどの雑誌に掲載されていたか情報を追う事さえ極めて難しいでしょう。
(もっといえば官能劇画自体、今現在の2015年に発売しようが1980年代に発売されたものだろうが内容の違いなどほとんど分からないでしょうけれど…)。
少し内容もご紹介しましょう。
まず「義母」から。
こちらは当時フランス書院が推していた海外の官能小説を翻訳したもののコミカライズという扱いです。
私は原作も漫画版も所有していますが、ちなみに小説版(ハードカバー)の発売はトークン著泉真也訳で1976年。
元々フランス書院は海外の官能小説の翻訳モノとアダルトコミックを専門としている出版社で、設立は1975年(ウィキペディアより)という事で、設立して間もなく発売した作品という事です。
基本的には小説版を忠実に描いていますね。
あらすじといえばイギリスの片田舎の孤児院で育った少年「ラルフ」はある日ようやく見つかった引き取り先で、義姉、メイド、そして義母と結ばれるという展開です。
海外の作品なだけあって、最初から義姉と義父が関係を持っていたり(裕福なのは義母の家で、義父は婿入りのためあまり強い立場で無い。義姉はそれを見透かしていてあまり義父に好意的でない)、義姉とメイドと飼い犬とラルフとの獣姦込みの変形4Pシーンもあったりしますが、何より少年ラルフと美しい義母との関係がメイン。
とはいえ、本格的な母子相姦シーンはラストのみのほんの1、2ページのみでして、それまでのつかず離れずの展開がやきもきさせます。
ラルフと義姉が義父と義母のセックスを覗いたりと、ちょっとした寝取られシーンもありますが、義母はそれなりにガードが固くてしっかりしてますね。
義理の母モノであるのが残念でしたが、当時はまだ実の母親モノはかなりハゲしいテーマだったのでしょう。
とはいえ、ラストシーンでは「いつか本当のママとも素晴らしい愛の時を持ちたい」とラルフの独白があり、その後が示唆されています。
続編があったらぜひ読みたかったのですが…国内では少なくとも遂に出ませんでした。
続いて「順子先生すくらんぶる」。
こちらは母子相姦小説で名高い高順也先生が原作で、それもあって日本が舞台です。
(とはいえ出井州忍先生のタッチもあってか、前述の義母とそれほど母親の容姿に違いがない)
題名からではとても母子相姦作品とは想像がつかないでしょうが、こちらは実母モノ。
軽くあらすじ紹介します。
高校(中学だったかもしれない)に勤める美しい教師の順子。
ある日、イケメンの不良生徒に学校の用具室で襲われ、強姦されてしまいます。
しかし偶然、その現場を目撃してしまった生徒がいまして、彼こそが順子先生の息子である少年。
(たしか、順子先生がかなり若い時に出来てしまった息子で事実を伏せるために、少年には親戚として接しているので彼には彼女が自分の母親という認識がない)
美しい順子の痴態を見ていた少年は自分にもさせて欲しいと言い出して、強引に順子に襲い掛かってしまう。
相手が息子である事を認識している彼女は強く抵抗するが、最後には押し負けて体を許してしまう事になる。
涙を流しながら息子を彼女は自分が母親だと名乗り出る事が出来ない苦悩と負い目があり、結局少年を受け入れ続ける事に…。
その後の展開もメロドラマを見ているかのようで、その後二人がどうなるかドキドキしながら読んだ記憶があります。
ちなみに不良はその後も物語に出てくるのですが、見下していた不細工な少年に刺されて命を落とすという形でフェードアウトします。良い気味。
どちらも今でも比較的簡単に手に入りますが、今読んでも通用するエロティシズムと背徳感、そしてどちらも原作がある上に単行本を丸々一巻使っているだけあって物語としてけっこう重厚ですね。
何よりそれまで劇画でこそ描かれることがあったと思われる母子相姦というテーマが出井州忍先生の軽めのタッチ(今見るとさすがにちょっと古いのですが、当時としては標準的な少年漫画的なタッチですね)で描写されているのが実に斬新ですね。
その後、90年代に入り数年たって飛龍乱先生が「Shampoo」シリーズを描くまで、長編の母子相姦単行本は出ない事になります。
個人的には飛龍乱先生の作品とほぼ同時期に読んだ記憶がありますが、「義母」は私が生まれて初めて読んだ母子相姦漫画で、非常に衝撃を受けましたね。
先生本当にお疲れ様でした。
合掌。
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出井州忍先生もそんな一人で、亡くなった2012年からもう3年も前の事になるのに私が知ったのはつい最近の事でした。
この方はペンネームを幾つか使い分けていて、谷間夢路の名前の方が有名かもしれません。
そちらの名前ではホラー漫画を中心に描いていたようで、私は寡聞にしてそちらの方は詳しくありませんでした。
出井州忍(でいずにん ディズニーのもじり)先生は1943年生まれ。
15歳で鬼童譲二の名前で貸本漫画家としてデビューし、のちに少年チャンピオンに出井州忍の名前で「釣ったれ名人」を連載。
同名で官能劇画を含む、様々なジャンルで活躍し、後に谷間夢路の名前でホラー作品を多数発表。
2000年以降はインターネット、ブロードバンド、携帯をステージにした動きと音を組み込んだ新しい時代のマンガ、「ムービングマンガ」とアニメを制作発表していましたが、2012年に69歳でお亡くなりになりました。
そんな出井州忍先生ですが、このブログで改めて取り上げる理由はただ一つ。
母子相姦漫画と縁深い方であり、歴史上エポックメイキングな存在だからです。
とはいえ、私が把握している先生の母子相姦作品は二つだけ。
「義母」1987年
義母
「順子先生すくらんぶる」1990年
順子先生すくらんぶる
いずれもフランス書院から発売されていました。
フランス書院と言えば、あの懐かしい文庫サイズの黒い装丁の本ですね。
特筆すべきなのはその発売年です。
何とあのロリコンが圧倒的な優勢だった80年代から90年初頭の時点で母子相姦のアダルトコミックを描いているのです。
記録に残っていて、かつ今でも手に入る可能性が高い著作ではおそらく国内最古クラスの母子相姦コミックではないでしょうかね。
劇画ではそれ以前にも存在したと思いますが、何しろ劇画は単行本化していない作品が多いですし、現在手に入るか、それ以前に当時どんな母子相姦作品がどの雑誌に掲載されていたか情報を追う事さえ極めて難しいでしょう。
(もっといえば官能劇画自体、今現在の2015年に発売しようが1980年代に発売されたものだろうが内容の違いなどほとんど分からないでしょうけれど…)。
少し内容もご紹介しましょう。
まず「義母」から。
こちらは当時フランス書院が推していた海外の官能小説を翻訳したもののコミカライズという扱いです。
私は原作も漫画版も所有していますが、ちなみに小説版(ハードカバー)の発売はトークン著泉真也訳で1976年。
元々フランス書院は海外の官能小説の翻訳モノとアダルトコミックを専門としている出版社で、設立は1975年(ウィキペディアより)という事で、設立して間もなく発売した作品という事です。
基本的には小説版を忠実に描いていますね。
あらすじといえばイギリスの片田舎の孤児院で育った少年「ラルフ」はある日ようやく見つかった引き取り先で、義姉、メイド、そして義母と結ばれるという展開です。
海外の作品なだけあって、最初から義姉と義父が関係を持っていたり(裕福なのは義母の家で、義父は婿入りのためあまり強い立場で無い。義姉はそれを見透かしていてあまり義父に好意的でない)、義姉とメイドと飼い犬とラルフとの獣姦込みの変形4Pシーンもあったりしますが、何より少年ラルフと美しい義母との関係がメイン。
とはいえ、本格的な母子相姦シーンはラストのみのほんの1、2ページのみでして、それまでのつかず離れずの展開がやきもきさせます。
ラルフと義姉が義父と義母のセックスを覗いたりと、ちょっとした寝取られシーンもありますが、義母はそれなりにガードが固くてしっかりしてますね。
義理の母モノであるのが残念でしたが、当時はまだ実の母親モノはかなりハゲしいテーマだったのでしょう。
とはいえ、ラストシーンでは「いつか本当のママとも素晴らしい愛の時を持ちたい」とラルフの独白があり、その後が示唆されています。
続編があったらぜひ読みたかったのですが…国内では少なくとも遂に出ませんでした。
続いて「順子先生すくらんぶる」。
こちらは母子相姦小説で名高い高順也先生が原作で、それもあって日本が舞台です。
(とはいえ出井州忍先生のタッチもあってか、前述の義母とそれほど母親の容姿に違いがない)
題名からではとても母子相姦作品とは想像がつかないでしょうが、こちらは実母モノ。
軽くあらすじ紹介します。
高校(中学だったかもしれない)に勤める美しい教師の順子。
ある日、イケメンの不良生徒に学校の用具室で襲われ、強姦されてしまいます。
しかし偶然、その現場を目撃してしまった生徒がいまして、彼こそが順子先生の息子である少年。
(たしか、順子先生がかなり若い時に出来てしまった息子で事実を伏せるために、少年には親戚として接しているので彼には彼女が自分の母親という認識がない)
美しい順子の痴態を見ていた少年は自分にもさせて欲しいと言い出して、強引に順子に襲い掛かってしまう。
相手が息子である事を認識している彼女は強く抵抗するが、最後には押し負けて体を許してしまう事になる。
涙を流しながら息子を彼女は自分が母親だと名乗り出る事が出来ない苦悩と負い目があり、結局少年を受け入れ続ける事に…。
その後の展開もメロドラマを見ているかのようで、その後二人がどうなるかドキドキしながら読んだ記憶があります。
ちなみに不良はその後も物語に出てくるのですが、見下していた不細工な少年に刺されて命を落とすという形でフェードアウトします。良い気味。
どちらも今でも比較的簡単に手に入りますが、今読んでも通用するエロティシズムと背徳感、そしてどちらも原作がある上に単行本を丸々一巻使っているだけあって物語としてけっこう重厚ですね。
何よりそれまで劇画でこそ描かれることがあったと思われる母子相姦というテーマが出井州忍先生の軽めのタッチ(今見るとさすがにちょっと古いのですが、当時としては標準的な少年漫画的なタッチですね)で描写されているのが実に斬新ですね。
その後、90年代に入り数年たって飛龍乱先生が「Shampoo」シリーズを描くまで、長編の母子相姦単行本は出ない事になります。
個人的には飛龍乱先生の作品とほぼ同時期に読んだ記憶がありますが、「義母」は私が生まれて初めて読んだ母子相姦漫画で、非常に衝撃を受けましたね。
先生本当にお疲れ様でした。
合掌。
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