短編「川べり」
- 2017/03/08
- 22:00
さて、気づけば三月も第一週を終え、いつものように更新がズルズルと遅れてはいかんと完成済の新作をアップすることにしました。
とりあえず幾つか短いのは出来ていますが、ここ1、2年はどうも体験談的なのばかりになってきてたため、ここ最近はちょっとずつ実験的に書いていこうと思います。
と言いながらも、まだ今回は一人称なんですが。
あ、今回の文章の中で鉄橋の下というのが出てきます。
これは漫画「タッチ」のあのシーンと渡辺美里のヒット曲「ムーンライトダンス」の歌詞の影響ですね。
どっちも80年代ですね。
どうでもいいことですが。
宜しければどうぞ。
とりあえず幾つか短いのは出来ていますが、ここ1、2年はどうも体験談的なのばかりになってきてたため、ここ最近はちょっとずつ実験的に書いていこうと思います。
と言いながらも、まだ今回は一人称なんですが。
あ、今回の文章の中で鉄橋の下というのが出てきます。
これは漫画「タッチ」のあのシーンと渡辺美里のヒット曲「ムーンライトダンス」の歌詞の影響ですね。
どっちも80年代ですね。
どうでもいいことですが。
宜しければどうぞ。
短編「川べり」
薄暗い曇り空の昼下がり、外は春の雨がしとしとと降っていた。
小さく開けられた窓からは軽く湿った冷たい空気が入り込んでくる。
その瞬間が子供のころからなぜか好きで、今も変わらない。
少しだけ雨の湿度と音を聴いてから、視線を向こう側に向ける。
狭いベランダの手すりの向こうには立ち並んだマンション棟が幾つも雨に煙っていた。
雲が垂れ込めた薄暗い空の向こう側は太陽の陽射しが差し込んでくるが、部屋の奥まで光が届く前に日は暮れてしまうだろう。
四人掛けソファの上でさっきまで体を重ねていた母はまだぐったりとした様子で、手の甲で額の汗を拭っていた。
部屋中にさっきまでしていた二人の匂いが漂っているが、いくらも経たない内に窓から雨の中に溶け込んで消えてしまうと思う。
子宮の病を経てもう子供を宿すことの出来なくなった躰の母にとって男と、まして息子とセックスをする理由はもう理屈ではないんだと思う。
愛しいとか抱きたいとか、ヤリたいとかそんな事さえ超越しているように母は僕を受け入れた。
初めて母の首筋に顔を押し付けて埋めた時、白い肌に口づけた時、まるで母はそう去れる事が分かっていたかのように唇を重ねてきた。
狭いソファベッドの上で重なり合って何度も唇を重ねたまま、互いの身体を弄りあっていた。
より大柄な僕が自然と支えるように母の身体を乗せるように引き寄せると、ぐっと体重がかかって柔らかな肉体の感触と熱いくらいの体温が伝わってくる。
子供を宿せない女を昔は石女と呼んだという。
その言葉には侮蔑的な響きがあったが、実際に目の前の母の肉感的な躰を重ねていると冷たく固くなっているのはむしろ母の心ではないかと思った。
それくらいに母は僕に抱きしめられ、唇を重ねていてもその瞳の色はどこか冷たく光を失っているように見えた。
膨らんだ胸の隆起に顔を押し付けて布越しに母の乳房を吸い始める。
少しの間そうしていたが、間もなく母は小さく息をついて自らシャツのボタンを外した。現れたベージュ色の先端を口に含み、舌を使いながら軽く唇で挟むとようやく母の顔色にも赤みがさしてきた。
さっきまで機械的なほど落ち着いていた母の胸の上下動する動きは早まってきて、堪えかねたように僕の顔を乳房から引き離してもう一度唇を重ねてきた。
伸し掛かってきた母の体重と僕の体重がしっかりと重なって安ソファが深く沈んでいくような感触を背中で感じる。
身体の柔らかさが胸や体型の丸みが全て伝わってくるようだった。
そして僕の緊張も、強張りも。
不意に腰を持ち上げた母はゴソゴソと下半身に手をやったかと思うと、もう一度体重をかけてくるのが分かった。
みっともないほどに硬くなっていた僕のモノが突然母の手で引き出されたかと思うと、何か柔らかな感触に直接触れるのが分かった。
あっと思って声を発しようとしたが、母は制するように目配せしてきたのでその時はそれ以上何も言えなかった。
ぐっぐっと固い何かがモノに押し付けられる感触がしたかと思うと、小さな痛みが走った後で何かに包みこまれていくのを感じた。
痛みは自分の皮が剥けたんだと分かったが、母の中に入ったのかは分からなかった。
想像していたよりずっとあっけなくて、割と冷静に自分は童貞じゃなくなったんだって思った。
揺するような速度で腰を動かし始めた母は何も言わなかったが、僕の肩を握る手の力は強かった。
ぎこちない自覚はしてたけど、僕も不格好にゆっくりと腰を突き上げる動きをし始めると痛いくらいに腹筋に力が入っていることに気づいた。
本能で自分がセックスしている相手を認識しているみたいに身体が固かった。
一瞬、迷ったが顔を上げようとしたら母からもう一度キスをしてきた。
唇をつけたまま体を揺すっていると、最初の乾いたゴムのような感触だった母の中が気づけば液音がしそうな程濡れている事に気づく。
何も話さなくても身体の感覚で確かに繋がっているのが、母も感じ始めているのが、分かった。
その内に徐々に僕が高まって来たので堪えながら黙っていると、その内に事情が分かったのか
「出していいよ」
と小声で囁いてきた。
やけに艶めかしく感じて、初めて聞く母の女の声だった。
いくら石になった母とはいえ、実の母親の子宮に精子を出すのは抵抗があった。
親子だっていう実感とその事への負い目を感じながら気づけばビュッと震えるほどの強い衝動がやってきて母の中で射精していた。
「あっ、はっ…」
その時になって初めて母は喘ぎ声を漏らすと、ぐったりとして僕にもたれてきた。
上に載った母の下半身の中心らへんから冷たくなりかけている僕が中に出したものが垂れてくるのが分かる。
身体中を赤く染めて艶めかしくしなだれかかってくる様子からはさっきまでの冷めた母の瞳の色は全くうかがえなかった。
簡単に着替えてから雨の中を適当に車を走らせて雨の町を走る事にした。
普段なら空いている道も雨の日は規制されていて、混みやすくなる。
それでも少し走らせるうちに窓の外に田んぼが広がり始めると瞬く間に車の数は減っていく。
ゆっくりとワイパーを動かすと、無数の水滴が流れ落ちていたフロントガラスが一気に広がるように思える。
特に脈絡なく、県境の河川敷までやってきて車を止めた。
休日なら草野球も見られるかもしれないが、平日の雨の昼下がりは散歩する者すら見られない。
学校帰りの学生の自転車が堤防を行き来し始めるにはもう少し早い時間帯だった。
家から持ってきたペットボトルのキャップを開けて、口をつける。
最近母がはまっているらしいトクホの割高なお茶で苦みが強いからあまり好きでない。
とはいえ、お手軽な健康志向、ダイエット願望には効くらしく、相も変わらずスーパーで安売りしているのを買い込んでくる。
そう思えばただのお茶でもやけに有難味があるような気がして、もう一口飲んでから助手席の母に手渡した。
赤く簡単に差した母の朱唇が小さく開かれ、濃いめの色をした液体が流れ込んでいくのを見ると、不思議とさっきまでの情景が蘇ってくる。
引き寄せられるように顔を寄せると、明るい外だというのにキスをしていた。
もう少しだけ足を伸ばして、鉄橋の下にたどり着く。
昔の漫画や映画ならロマンチックなスポットだが、錆びて赤茶けた鉄橋の上を通るのは2両編成のローカル鉄道だけだ。
そこで僕らはセックスをした。
かび臭くて落書きを消した跡の残るコンクリートの壁に押し付けるように抱いて少し乱暴に母を貫いた。
はあはあと荒い息をする母の下着を下げるとヌルヌルと溢れていて愛撫もしない内に繋がっていった。
夢中で歯が当たりそうな程は激しくキスをしながら腰をつかってると、強く僕の首に腕を巻いてくる。
そのまま母の子宮内にもう一度射精をした。
ぐっと母の腕に力がこもったが何も言わなかった。
わずか1,2分程度の短い行為だった。
後片付けをした後もその余韻を惜しむように母と掌を重ねたまま、しとしとと降り続ける雨を見ていた。
完
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薄暗い曇り空の昼下がり、外は春の雨がしとしとと降っていた。
小さく開けられた窓からは軽く湿った冷たい空気が入り込んでくる。
その瞬間が子供のころからなぜか好きで、今も変わらない。
少しだけ雨の湿度と音を聴いてから、視線を向こう側に向ける。
狭いベランダの手すりの向こうには立ち並んだマンション棟が幾つも雨に煙っていた。
雲が垂れ込めた薄暗い空の向こう側は太陽の陽射しが差し込んでくるが、部屋の奥まで光が届く前に日は暮れてしまうだろう。
四人掛けソファの上でさっきまで体を重ねていた母はまだぐったりとした様子で、手の甲で額の汗を拭っていた。
部屋中にさっきまでしていた二人の匂いが漂っているが、いくらも経たない内に窓から雨の中に溶け込んで消えてしまうと思う。
子宮の病を経てもう子供を宿すことの出来なくなった躰の母にとって男と、まして息子とセックスをする理由はもう理屈ではないんだと思う。
愛しいとか抱きたいとか、ヤリたいとかそんな事さえ超越しているように母は僕を受け入れた。
初めて母の首筋に顔を押し付けて埋めた時、白い肌に口づけた時、まるで母はそう去れる事が分かっていたかのように唇を重ねてきた。
狭いソファベッドの上で重なり合って何度も唇を重ねたまま、互いの身体を弄りあっていた。
より大柄な僕が自然と支えるように母の身体を乗せるように引き寄せると、ぐっと体重がかかって柔らかな肉体の感触と熱いくらいの体温が伝わってくる。
子供を宿せない女を昔は石女と呼んだという。
その言葉には侮蔑的な響きがあったが、実際に目の前の母の肉感的な躰を重ねていると冷たく固くなっているのはむしろ母の心ではないかと思った。
それくらいに母は僕に抱きしめられ、唇を重ねていてもその瞳の色はどこか冷たく光を失っているように見えた。
膨らんだ胸の隆起に顔を押し付けて布越しに母の乳房を吸い始める。
少しの間そうしていたが、間もなく母は小さく息をついて自らシャツのボタンを外した。現れたベージュ色の先端を口に含み、舌を使いながら軽く唇で挟むとようやく母の顔色にも赤みがさしてきた。
さっきまで機械的なほど落ち着いていた母の胸の上下動する動きは早まってきて、堪えかねたように僕の顔を乳房から引き離してもう一度唇を重ねてきた。
伸し掛かってきた母の体重と僕の体重がしっかりと重なって安ソファが深く沈んでいくような感触を背中で感じる。
身体の柔らかさが胸や体型の丸みが全て伝わってくるようだった。
そして僕の緊張も、強張りも。
不意に腰を持ち上げた母はゴソゴソと下半身に手をやったかと思うと、もう一度体重をかけてくるのが分かった。
みっともないほどに硬くなっていた僕のモノが突然母の手で引き出されたかと思うと、何か柔らかな感触に直接触れるのが分かった。
あっと思って声を発しようとしたが、母は制するように目配せしてきたのでその時はそれ以上何も言えなかった。
ぐっぐっと固い何かがモノに押し付けられる感触がしたかと思うと、小さな痛みが走った後で何かに包みこまれていくのを感じた。
痛みは自分の皮が剥けたんだと分かったが、母の中に入ったのかは分からなかった。
想像していたよりずっとあっけなくて、割と冷静に自分は童貞じゃなくなったんだって思った。
揺するような速度で腰を動かし始めた母は何も言わなかったが、僕の肩を握る手の力は強かった。
ぎこちない自覚はしてたけど、僕も不格好にゆっくりと腰を突き上げる動きをし始めると痛いくらいに腹筋に力が入っていることに気づいた。
本能で自分がセックスしている相手を認識しているみたいに身体が固かった。
一瞬、迷ったが顔を上げようとしたら母からもう一度キスをしてきた。
唇をつけたまま体を揺すっていると、最初の乾いたゴムのような感触だった母の中が気づけば液音がしそうな程濡れている事に気づく。
何も話さなくても身体の感覚で確かに繋がっているのが、母も感じ始めているのが、分かった。
その内に徐々に僕が高まって来たので堪えながら黙っていると、その内に事情が分かったのか
「出していいよ」
と小声で囁いてきた。
やけに艶めかしく感じて、初めて聞く母の女の声だった。
いくら石になった母とはいえ、実の母親の子宮に精子を出すのは抵抗があった。
親子だっていう実感とその事への負い目を感じながら気づけばビュッと震えるほどの強い衝動がやってきて母の中で射精していた。
「あっ、はっ…」
その時になって初めて母は喘ぎ声を漏らすと、ぐったりとして僕にもたれてきた。
上に載った母の下半身の中心らへんから冷たくなりかけている僕が中に出したものが垂れてくるのが分かる。
身体中を赤く染めて艶めかしくしなだれかかってくる様子からはさっきまでの冷めた母の瞳の色は全くうかがえなかった。
簡単に着替えてから雨の中を適当に車を走らせて雨の町を走る事にした。
普段なら空いている道も雨の日は規制されていて、混みやすくなる。
それでも少し走らせるうちに窓の外に田んぼが広がり始めると瞬く間に車の数は減っていく。
ゆっくりとワイパーを動かすと、無数の水滴が流れ落ちていたフロントガラスが一気に広がるように思える。
特に脈絡なく、県境の河川敷までやってきて車を止めた。
休日なら草野球も見られるかもしれないが、平日の雨の昼下がりは散歩する者すら見られない。
学校帰りの学生の自転車が堤防を行き来し始めるにはもう少し早い時間帯だった。
家から持ってきたペットボトルのキャップを開けて、口をつける。
最近母がはまっているらしいトクホの割高なお茶で苦みが強いからあまり好きでない。
とはいえ、お手軽な健康志向、ダイエット願望には効くらしく、相も変わらずスーパーで安売りしているのを買い込んでくる。
そう思えばただのお茶でもやけに有難味があるような気がして、もう一口飲んでから助手席の母に手渡した。
赤く簡単に差した母の朱唇が小さく開かれ、濃いめの色をした液体が流れ込んでいくのを見ると、不思議とさっきまでの情景が蘇ってくる。
引き寄せられるように顔を寄せると、明るい外だというのにキスをしていた。
もう少しだけ足を伸ばして、鉄橋の下にたどり着く。
昔の漫画や映画ならロマンチックなスポットだが、錆びて赤茶けた鉄橋の上を通るのは2両編成のローカル鉄道だけだ。
そこで僕らはセックスをした。
かび臭くて落書きを消した跡の残るコンクリートの壁に押し付けるように抱いて少し乱暴に母を貫いた。
はあはあと荒い息をする母の下着を下げるとヌルヌルと溢れていて愛撫もしない内に繋がっていった。
夢中で歯が当たりそうな程は激しくキスをしながら腰をつかってると、強く僕の首に腕を巻いてくる。
そのまま母の子宮内にもう一度射精をした。
ぐっと母の腕に力がこもったが何も言わなかった。
わずか1,2分程度の短い行為だった。
後片付けをした後もその余韻を惜しむように母と掌を重ねたまま、しとしとと降り続ける雨を見ていた。
完
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