「MOTHER」よりＨＥＡＶＥＮー１１「流された夏」２

今日も「MOTHER」よりＨＥＡＶＥＮー１１先生の「流された夏」のご紹介。
名作なので詳細にしたく、二日間に分けさせて頂きました。

家族で乗っていた船が沈み、母子二人で無人島に漂着した物語です。
母親は息子が自分を女性として意識しているのを薄々気づいていて、スコールからの雨宿りをきっかけに二人は一線を越えます。
あくまで息子が望んだからこその相姦行為なのですが、母親もそれもまた構わないと自然に受け入れる流れになっていてよく出来ています。
この母親の内心とか内面世界がはっきりと見えないのがいいですね。
なぜ息子を受け入れる気になったのか、よくは分からないけれど色々無理なく想像の余地が働かせる事が出来ます。
いわゆる無人島に生き残った男女として王道の結ばれ方なんですが、実に無駄がないですね。

ラストには実は生存していた父親が漂着するのですが、息子自らが始末をつけます。
これを読んだときはこの展開にドキッとしたものです。
母と結ばれて父を殺す、神話の時代から語られるオイディプス王の伝説はこうして現代にも受け継がれた、と。
シンプルながらも、やっぱり名作ですね。