「MOTHER」より玄田生「タラチネ」2
- 2017/08/12
- 11:17

今日で最後になります1994年にヒット出版社より発売された「MOTHER」より玄田生先生の「タラチネ」のご紹介。
物語を改めてご説明いたします。
16歳にして家庭教師と駆け落ちした母。
しかし、妊娠したと同時に夫を内ゲバ(過激派による内部統制という名の粛清(殺人)。全共闘世代?)の誤爆により亡くす。
男が生きていた当時から10代で作家としてデビューし、もてはやされていた彼女は物書きとして、「女の自立」を語るフェミニストとして文化人活動を始め、必死に育児と仕事に生き始める。
ある日、酔って帰ってきた母親の介抱をする際に息子と弾みのように一線を越え、昨日ご紹介した親子関係の形が変化してしまいました。
やがて数年が経過して二人は変わり始めました。
母親は老い衰え始めました。
そして自分が本当に書きたいものでなく、世間が求める自分を取り繕って作家活動とフェミニスト活動をしている状況に嫌気が差しています。
そして息子も自分がマザーファッカーである事と自分が亡父の代わりでしかない状況にいら立ちを覚えるようになっていました。
ある日、息子が連れてきた彼女のあざといぶりっこぶりに母は苛立ち混じりに嫌味をぶつけますが、やんわりとかわされてしまい、母子で衝突してしまいます。
そして二人は離れてしまいますが、ある日母は息子がペニスバンドを付けたガールフレンドに犯されているのを見て‥。
やがて親子は互いに自立する事を決め、物語は終わります。
どうでしょうか、最近の母子相姦漫画ではまず見られない完成された世界観と展開ですよね。
個人的には森山塔の元アシスタントである作者玄田生先生の主張がちょっと鼻につきました。
師匠譲りのコマの間にちょっとした自己主張を書き連ねるスタイルも、作品への没入を妨げるだけでなく作者として言い訳じみていて好きじゃないですね。
「自立した女も進歩派の男も私にとっては格好の金ヅルだ‥」という母親が独白する描写もあるのですが、1980年代以降のインスタント文化人を皮肉りたい意思がそのまま出ている気がします。
息子がペニスバンドを使ったガールフレンドに犯されるのが好き、というのもマザーファッカーへの偏見がちょっと出ている気がしますね。
1966年生まれの玄田生先生は今は山本夜羽音と名を変えています。
元々は学生運動家であり、何度か投獄されていたりし、2000年以降は再び政治活動らしき事もしているようです。
また被災地の子供に「おたぱっくQB(救援便)」と称する、被災地の子供に漫画・アニメ・ゲーム・おもちゃを贈るボランティア活動を行っている(ウィキペディアより)ようです。
ファンとしてはもう少し素直に漫画に集中して描いたら良かったのでしょうが‥。
そうだとすると社会派漫画家と話題を集める事も無かったでしょうし、その辺を割り切って漫画を描けるような器用さがあれば投獄されるような事も無かったでしょうから、難しい気もします。





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