「淫母」よりみたらし侯成「絆」
- 2017/08/17
- 10:59

今日も2001年に桜桃書房より発売された「淫母」のご紹介です。
今回はみたらし侯成先生の「絆」のご紹介です。
みたらし侯成先生はアンソロジーでも時折見かけていますし、今もバリバリで母子モノを描いています。
つい一週間前の8月10日にもDLcomで母子モノの新作が単話配信されてましたね。
みたらし侯成は話がやけに鬱でシリアスな時とそうでない時の差が激しく、読みにくい印象です。
というのは鬱でシリアスだからとあまり親子関係や因縁を深く掘り下げてくれないため、ただただ暗い話に終始してしまう印象がありますね。
今回もそうした傾向はありますね。
かつて母親に捨てられた過去のある男。
出会い系で知り合った女と関係を持つようになりますが、彼女の正体がかつて自分を捨てた母親だという事に気づいてしまいます。
ある日、自分の正体を打ち明けてしまい…と。
このような終わり方になります。
個人的には正体を打ち明ける前に母親に息子を捨てた事をどう思っているのかどんな状況だったのか、あるいは実の息子だって事を打ち明けてからの反応とか、普段の今の母親の暮らしとかもう少し練って掘り下げているとオチはこうでも、違った印象がありますね。
捨てた息子に対してせいせいしているような反応だったとしても、今こうして出会い系サイトで若い男を漁ってセフレとなってそれなりに楽しんでいる事も事実で…その辺の機微とか母親特有の事情や身勝手さのようなものを描いてくれると違って見えたのですが、一方的に息子が捨てられた事と父親の暴力を一心に受けた恨みをぶつけ、断罪して終わってしまいましたね。
余談ですが、かつて自分を捨てた母親に息子が対面するって経験は映画でも現実でもたまに聞きます。
あの大ヒット映画「おくりびと」でも葬儀会社の事務員の女性がそうでしたよね。
悪いと思っているとか後悔しているとか、そんな綺麗事を並べる時もあるし、そんな事に構ってられないほど自分の人生だけで手いっぱいになって忘れかけてしまっている時もあります。
その内に改めてご紹介しようと思うのですが、北野武監督の映画「菊次郎の夏」なんかはまさにそれがテーマで、非常に心に残る作品です。
もう少し、その辺を突っ込むと大変な名作になった気もしますね。





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- テーマ:エロマンガ・同人誌
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