中編「息子に誘われた日」
- 2020/05/04
- 02:38
ども。
ちょっと前から準備してた新作です。
「息子に誘われた夜」と言いまして、その題名通り母親目線モノ。
母親目線モノ(というか女性視点)は実に難しいのですが、ま、多少はね?
フリーハンド魂の新刊「というわけで母さん達とヤッテみた」届きました。
オールカラーで「というわけで全裸で母さんにお願いしてみた」「というわけで母さんと今日もベッドの上で肌を合わせる主に激しく」「居候先のおばさんにハメる!」「帰ってきた息子がキンパツヤリチン」の四作品収録。
この人は紙単行本化に合わせて加筆はしてくれるんだけど、描きおろしはしないんだよなぁ……とっくに全部持ってるよ、これ。。
たった4Pでもいいからアフターストーリーを描いて欲しかったですね。。
こないだのはいとく先生の新刊といい紙単行本より新作母モノはまだかなぁ……。
まあ、それはそれとして。
宜しければどうぞ。
息子の声は震えている。
私も胸が苦しいほど鼓動が早まって、何も言えなくなっていた。
首筋に濡れた唇が押し付けられると、ハアハアとやけに息が荒い。
ひどく興奮しているようだった。
そんな時でも髪の匂いを嗅いでいると何だか懐かしい気にもなる。
こんな風にされている時なのに。
これまでずっとそんな予感なんて全く無かった。
今日だって息子が運転の練習に付き合ってほしいと頼まれて、何の気も無く助手席に座っただけ。
なのに。
その日は高速に乗って隣の県のショッピングモールまで行くことにした。
普段は近くにしか出かけないからそれも新鮮だった。
曲がりくねった山間を通り抜けた高速のインターを降りると、ラブホテルに入って行って。
最初は悪い冗談かと思ったけれど、息子はただ気まずそうに俯いているだけだった。
その様子からこれは本気だと分かって、何も聞けなくなってしまって。
「入っていい?」
だいぶ躊躇した後で息子はそう聞いてきた。
「えぇ~…?」
しばらく黙って息子を見つめていたけど、それ以上何も言おうとしないみたいだった。
「もしかして……今日は最初からこういうつもりだったの?」
「……ん」
気まずそうに黙ったまま息子は頷く。
……こういうこと、か。
何かが起きる日ってそういうものなのかもしれない。
なぜかそんな事をどこかで思った。
今まで生きてきて、何となくそう感じてきたからかも。
(どうしたらいいんだろう)
そう思いながら何て声を返せばいいのか分からない。
あまりに思いつめたような顔をしていたから、言葉が浮かばなくなってしまう。
不思議とどうしても嫌って訳じゃなかった。
このままいいのかなって気もしてたし、何でこんな事を急に言い出したのかなとも。
ただ彼のために止めておいた方が絶対にいいとも思いながら。
しばらく迷っていると急に息子は車を降りて行ってしまった。
もし私がこのまま車の中で待っていたら、彼に付いていかなかったらどうするんだろう。
おそらく息子の性格からしてその内に諦めるんだろうな。
そう思うと、何だか彼が哀れな気もしてしまう。
ずいぶんと思い詰めていたみたいだし。
少し経ってから車を降りて建物に近づいていった。
自動ドア近くの柱の陰で立っていた息子はこちらを見て、少し安心したように微笑んだ。
私が車に乗ったままでこのまま来ないかもしれないと思ってたんだろう。
「……ちょっとだけだよ。すぐ帰るからね」
軽くそう言うと、息子は何とも言えないような顔で曖昧な返事をした。
通された部屋は壁一面が鏡張りになっている。
空いている中で一番安い部屋にしたんだけど、意外に広くて綺麗だった。
こんなとこに来るのはかなり久しぶりだけど、あんまり変わっていないみたい。
カバンをサイドテーブルに置くと、立ち尽くしていた息子に声をかけた。
「座ったら?」
そう言いながら私はティーバッグの入ったカップにポットのお湯を注ぎ入れる。
コーヒーにシュガーに、ミルク。
いちおうひと通りは揃えられているみたいだった。
大きめのソファに座りこんだ息子は落ち着かなさそうにキョロキョロと眺めている。
いつもの息子ならスマホでも弄りだすのだろうけれど、きっと初めて来たのだろう。
物珍しそうな様子の息子をみると、まだまだ幼いと思う。
背丈だけは何年も前に私より高くなったけど、やっぱり男として見る事なんてとても出来そうにない。
テレビをつけてみると、普通のテレビ番組が流れていた。
ごく平凡なワイドショーで、首相の疑惑の話題をしている。
アダルトチャンネルだったら気まずくなるから、少しほっとした。
一口少しコーヒーを飲んだけど、何だか味が分からない。
どうしても気持ちが落ち着かないのだろう。
シラフでこんなとこに来たのは初めてだった。
いっそお酒でも飲んでしまおうと冷蔵庫から缶ビールを取り出す。
プルタブを開けて唇をつけると冷え切った苦みが口に広がる。
アルコールは脳にボヤっと微熱を加えてきた。
こんな明るい時間に飲むなんて初めてだった。
息子はもちろんお茶のまま。
運転手だし未成年だし。
特にこれと言った話なんてしない。
こんなとこでぼんやりと興味もないテレビを見てるなんて、何だか滑稽な気もした。
何で息子は母親とこんなところに入ろうって言いだしたんだろう。
「ねぇ」
「……うん?」
「……どうしたいの?」
「えっ?」
少し驚いた顔で息子は私を見つめてくる。
何だか期待を込めたような眼差しで。
「カラオケとかあるみたいよ、ここ」
そう言ってテレビの傍らに架けてあるマイクを指すた。
さっきの期待感に満ちた声を誤魔化すように息子はそうなんだと呟いた。
バカね。
どうもこういうところがしっかりしてないんだから。
もちろんこの部屋に入ってきた時からある程度覚悟はしていた。
結局最後には……かもって。
そうなってしまうというかせざるをえなくなるというか、なんていうか。
自分でもその予感はうまく言葉に出来ないんだけど。
息子はこの期に及んでハッキリが苦手のようで、まだどうすることも出来ないみたい。
正直言っていきなり押し倒されるかもって恐れてたのがバカみたいだった。
「せっかくだしお風呂入ってくるわ。ここ温泉みたいだし」
手にしてた一枚パンフをかざして息子に言う。
広い洗面所には二人分のゆったりとしたバスローブが架けてある。
ひんやりした空調が火照った肌には少し肌寒い。
家に比べてかなり広くて、そしてガラス張りの水槽みたいにさっきの部屋から見えるようになっていた。
今さら息子が見てようと構わないけれど、さすがにこの状態だと恥ずかしい。
部屋に残った息子はまだソファに腰かけているけど、チラチラとこちらを窺う視線を感じる。
息子の視線は気にしないようにシャワーを浴びると、バスタブにそっと身を浸した。
足を伸ばせる広さなのが良い。
ジェットバスだというので、脇にあるボタンを押すと音が上がって泡が上がり始めた。
湯船に首をもたげて天井を見上げるとバスルームの白い蛍光灯が眩しかった。
もしかしたら息子は入ってくるかも、と思っていたけれど遂に来なかった。
バスローブ姿で部屋に戻ると、さっきと同じように彼はテレビを眺めていた。
「あんたも入ったら?」
あえて私からそう促してみる。
ここに来た時から内心ずっと迷っていた。
ただゆっくりとバスタブに浸かっている間に自然と覚悟は出来ていた。
諦めがついたという方が近いかもしれない。
その言葉に少し驚いたようだった。
しばし逡巡していたけれど、意を決したように息子も立ち上がる。
息子が脱衣所で服を脱ぎだしたようだ。
バスルームの照明が煌々と輝いてこちらからは眩しい。
少しして裸になった息子がバスルームに現れた。
さっきの私と同じようにこちらを見ようとはしない。
息子を覗いているような変な気持ちにもなるし見ていられなくなった私はベッドルームに向かった。
そして灯りを消した。
「こっちに来て」
部屋に戻ってきた息子に寝室からそれだけ声をかけた。
それ以上なんて言えばいいのか分からなかったし、何か言葉を発すれば声がかすれてしまいそうだった。
薄い枕元のライトを頼りにおぼつかない足取りでこちらに近づいてくる。
痩せた息子の身体にはバスローブがだぶついて似合わないと思う。
近づいて来た息子は一瞬ハッとしたように立ち止まった。
ベッドで待っていた私が裸だったからだろう。
決して彼に見合うような若い女じゃないけれど、息子は固まったようで言葉もないようだった。
若い息子に私がどう映っているか気にはなった。
幻滅してその気が無くなったのならそれでいいと思う。
けれど決して彼は私の躰から目を逸らそうとしなかった。
見せつけるように私は両足をゆっくりと開いていく。
昔、ちょうど分娩台で彼を産んだ時みたいに膝を立てて。
「緊張してる?大丈夫?」
ベッドの脇に来た彼の手を取って、傍らに座らせる。
微かに震えている息子は何だか怖気づいているみたいにも思えた。
最後に気持ちを確かめ合おうと思って手を握る。
息子は唇を噛んだまま何かボソボソと言ったけれど、聞き取れなかった。
「……やっぱり止めておく?」
そう問うと息子ははっきりと首を小さく振った。
彼の肩に手を掛けてそっとバスローブを脱がしてやると、細身の肩からそっとはだける。
そっと彼の身体を抱き寄せると、身体を触れ合わせた。
細い見た目と違い、触れると堅い肌と筋肉の感触。
「母さん……」
その時息子がそう呼んだ声の響きからもう私を女として見ているんだと分かる。
アルコールはもうすっかり覚めてしまっていた。
心臓の奥がドクンと脈を打って血液が全身に行きわたっていく。
身体が息子に抱かれる準備を始めたのが分かる。
あるいは息子の声によってそうさせられたのかも。
自然と息子から顔を寄せられて唇を合わせていた。
キスするかどうかさっきは悩んでいたけれど、すっと受け入れていた。
随分久しぶりのキス。
心地良いと心から思う。
息子の唇の隙間から流れ込んでくる呼吸が荒いのが伝わってくる。
私もそうだったと思う。
息子にされる愛撫は夫や昔の恋人たちと全く違っていた。
不慣れで不器用だからか手や唇で触れられると何だかくすぐったいような感覚になる。
母親としてあまり身を委ねる事自体が恥ずかしいという思いもあった。
「強くしないでよ……跡になるから」
首筋にキスしてきたのでわざと母親らしく説教ぽく言ったのに、息子はあまり気にしてない風だった。
それよりもずっと夢中になっているように。
心臓の鼓動はますます高鳴るだけじゃなくて身体の奥が温まってくるような熱が出てきた。
十数年ぶりに息子に乳を吸われるだけでますます熱くなってくる。
濡れてきてる、と実感した。
今まで一度も息子に聞かせた事のない高い声が漏れてしまう。
最初は絶対にこんな風に声を上げないようにしようと思っていたのにもう諦めていた。
息子の指が私のそこに伸びてくる。
ゴツゴツとした骨ばった指が秘裂に触れてくると快感が走ってくっと足首まで力が入ってしまう。
水音をたて濡れていることは恥ずかしかったけれど、息子の指が擦る様に動くうちに気にならなくなった。
息子の堅い手に手を重ねて強く握りしめる。
指先を少し入れられるだけで頭が真っ白に痺れるような感覚に襲われてしまう。
「ゆっくりね、ゆっくり……」
そう声を掛けると息子は聞いているのかいないのか、二本三本と埋めてくる。
「あぅんっ!」
自分の指では感じられない感覚に思わず大声を上げてしまう。
入ってきた指先はすぐに胎内の壁を擦る様に刺激し始めてむず痒くなってきた。
すごい声を出してしまった気恥ずかしさで私は内心動揺したけれど、構わずに息子は私の膣内を探る様に指で擦り続ける。
私が本当に感じたことに興奮と喜びを覚えているようだった。
気付いた時には息子に弄られたまま夢中でキスを繰り返していた。
舌を伸ばして絡ませ合ったまま、息子の頭を抱きしめる。
片時も離れる事も無くただひたすら彼の愛撫に喘ぎ続けている。
自分も彼にしてあげなくては、という事も出来なくて生まれて初めてというくらいの快感と興奮の虜にされていて。
夢中になっていた私はつい堅くなった彼のペニスを手に取り、自ら求めていった。
そして瞬間が来た。
私たち親子が一つになる刹那。
彼を産んだ日の事を私は思い出した。
2001年12月13日。
それが息子の誕生日だった。
小雨の降る寒い日、近所の買い物帰りに陣痛が来て自分で運転して行ったあの病院。
そこからは必至で記憶も途切れがちになったけれど、疲れ切った体であの日聞いた息子の産声を思い出す。
お医者さんや看護婦さんに囲まれたままじんわりと達成感を覚えた時のこと。
そうだ、彼はたしか3030グラムだった。
ちょうどキリが良いなと思ったものだ。
あの日、今日ここにいたるまでの道を歩き始めたんだろうか。
もちろんその時はその場にいたそんな事は思いもしてなかったけれど。
彼を育ててきた年月も色々な出来事ももしかしたらこのためにあったんじゃないかとさえ思った。
こんな風になるなんて夢にも思っていなかった平凡でどこにでもある親子の人生が、こうして交わるなんて。
「現実は小説より奇なり」
息子が私の胎内に入ってきた時、誰かの言葉が脳裏に蘇った。
赤々と燃える息子の若い肉体が入り込んできた時、灼けてしまうんじゃないかとさえ思った。
息子と私が触れあったそこは焦げるほどに熱く、全身まで燃えてしまいそうだった。
入ってきた瞬間に金切り声のような叫びをしてしまうほどに。
何だか彼を出産した時と似ているようにも思える。
彼を産み落とそうと必死に息んだあの時と大きく育った息子の若い肉の芽が入り込んでくる今が重なっていく。
驚くほど息子のペニスはひどく堅くて膣内が広げられていくのが分かるほどで、もう何も考えらなくなった。
獰猛な蛇に胎内を食い破られてしまいそうだと被虐的な妄想にも囚われる。
声を上げる間にも唇を求めて息子を強く抱きしめるとこのまま死んでもいいと思うくらい、息子とのセックスに飲める込んだ。
恥ずかしさも躊躇いも悩みももう何も無かった。
おそらくそれは相手が実の息子であるという繋がりがあったからこそだった。
私と息子の人生は今ここに結実しているとさえ。
息子の堅さが熱さが激しさが形となって自分に注ぎ込まれてくるような気になった。
(本当に彼は若いな)
40歳を過ぎた私が失ったものがまるでひと時蘇ってくるよう。
元々熱した棒のようなペニスが胎内でどんどん堅さを増してきたと思ったら息子が何か声にならない声を上げた。
中に入っている息子のペニスが私の中で何度も脈打ちながら痙攣して、熱いものがあふれてきて。
息子が中に出したんだと分かったけれど、ドクンドクンと何度も震えているのが分かる。
妊娠してしまうなんてことは全く気にならなかった。
射精したペニスは徐々に萎んでくるので膣内の圧迫感が薄らいでくる。
ぜんぶ終わったんだと実感した瞬間、何ともいえない安らいだ心地になった。
こうなる事はずっと前から決まっていた事にさえ思う。
それくらいに気持ち良かったし、本当に素晴らしいセックスをしてくれた。
生まれてきて良かったし、息子を産んで良かったと思った。
まだ快楽の余韻は冷めやらず、微睡むように彼を抱きしめる。
身体の奥にまだ息子の堅さが幸せな残響を残っている。
ぐったりと傍らに倒れ込んだ息子に寄り添ってもたれた。
それもごく自然な事のように思え、そのまま短い眠りに落ちていく。
息子と近親相姦をした。
それは想像していたよりもずっと重く、そして甘く離れがたかった。
同じ血を引き、私の名前を一文字引き継いだ息子。
そんな息子を一人の男として以上に特別な関係を持った。
恋愛感情でも肉欲でもない、本当に特別な。
ホテルに入るまでとは全く違う人生を見せてくれた。
失いかけていた若さと無限の可能性を私に分け与えてくれた。
不思議なことに私は息子に愛を教えてもらったようにさえ思った。
あんな体験が出来て良かったと素直にそう思えた。
眠る息子の手を握り、私は祈る様に額を押し付ける。
「ありがとう……」
自然と涙が滲んできた。
息子とした近親相姦によって、そんな風に思わせられるほどの心境にさせられた。
一度経験するのと一度もしたことが無いのとは全く違う人生なんだと。
どちらが言えないけれど、息子とあんな風になれて本当に良かったと私は思う。
他の誰であっても経験できない感情や欲情、過去の全てのセックスが色褪せてしまうほどの体験だった。
もちろん肉体的に息子とのセックスによって得られた快感は素晴らしかった。
それだけじゃなく若い息子にまるで大切な女のように扱われるだけでくすぐったくも心地良い。
普通では絶対にあり得ないはずの実の息子と再び一つになる行為。
自分が産んだ息子を再び子宮に受け入れる……肉体がピッタリと重なった時に得られる一体感、自己肯定感は親子だからこそ得られる感覚だった。
どうにも説明できない安堵感や多幸感さえもあった。
息子と遂に一つになった時、肉体的なものより精神的な快感が全身を駆け巡っていた。
若い息子の人生に無理に居座って邪魔しようなんてまったく思わない。
息子が幸せな人生を歩めるよう精いっぱい彼を励まし見守ろうと願う。
彼を愛した女として、母親として。
完
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ちょっと前から準備してた新作です。
「息子に誘われた夜」と言いまして、その題名通り母親目線モノ。
母親目線モノ(というか女性視点)は実に難しいのですが、ま、多少はね?
フリーハンド魂の新刊「というわけで母さん達とヤッテみた」届きました。
オールカラーで「というわけで全裸で母さんにお願いしてみた」「というわけで母さんと今日もベッドの上で肌を合わせる主に激しく」「居候先のおばさんにハメる!」「帰ってきた息子がキンパツヤリチン」の四作品収録。
この人は紙単行本化に合わせて加筆はしてくれるんだけど、描きおろしはしないんだよなぁ……とっくに全部持ってるよ、これ。。
たった4Pでもいいからアフターストーリーを描いて欲しかったですね。。
こないだのはいとく先生の新刊といい紙単行本より新作母モノはまだかなぁ……。
まあ、それはそれとして。
宜しければどうぞ。
息子の声は震えている。
私も胸が苦しいほど鼓動が早まって、何も言えなくなっていた。
首筋に濡れた唇が押し付けられると、ハアハアとやけに息が荒い。
ひどく興奮しているようだった。
そんな時でも髪の匂いを嗅いでいると何だか懐かしい気にもなる。
こんな風にされている時なのに。
これまでずっとそんな予感なんて全く無かった。
今日だって息子が運転の練習に付き合ってほしいと頼まれて、何の気も無く助手席に座っただけ。
なのに。
その日は高速に乗って隣の県のショッピングモールまで行くことにした。
普段は近くにしか出かけないからそれも新鮮だった。
曲がりくねった山間を通り抜けた高速のインターを降りると、ラブホテルに入って行って。
最初は悪い冗談かと思ったけれど、息子はただ気まずそうに俯いているだけだった。
その様子からこれは本気だと分かって、何も聞けなくなってしまって。
「入っていい?」
だいぶ躊躇した後で息子はそう聞いてきた。
「えぇ~…?」
しばらく黙って息子を見つめていたけど、それ以上何も言おうとしないみたいだった。
「もしかして……今日は最初からこういうつもりだったの?」
「……ん」
気まずそうに黙ったまま息子は頷く。
……こういうこと、か。
何かが起きる日ってそういうものなのかもしれない。
なぜかそんな事をどこかで思った。
今まで生きてきて、何となくそう感じてきたからかも。
(どうしたらいいんだろう)
そう思いながら何て声を返せばいいのか分からない。
あまりに思いつめたような顔をしていたから、言葉が浮かばなくなってしまう。
不思議とどうしても嫌って訳じゃなかった。
このままいいのかなって気もしてたし、何でこんな事を急に言い出したのかなとも。
ただ彼のために止めておいた方が絶対にいいとも思いながら。
しばらく迷っていると急に息子は車を降りて行ってしまった。
もし私がこのまま車の中で待っていたら、彼に付いていかなかったらどうするんだろう。
おそらく息子の性格からしてその内に諦めるんだろうな。
そう思うと、何だか彼が哀れな気もしてしまう。
ずいぶんと思い詰めていたみたいだし。
少し経ってから車を降りて建物に近づいていった。
自動ドア近くの柱の陰で立っていた息子はこちらを見て、少し安心したように微笑んだ。
私が車に乗ったままでこのまま来ないかもしれないと思ってたんだろう。
「……ちょっとだけだよ。すぐ帰るからね」
軽くそう言うと、息子は何とも言えないような顔で曖昧な返事をした。
通された部屋は壁一面が鏡張りになっている。
空いている中で一番安い部屋にしたんだけど、意外に広くて綺麗だった。
こんなとこに来るのはかなり久しぶりだけど、あんまり変わっていないみたい。
カバンをサイドテーブルに置くと、立ち尽くしていた息子に声をかけた。
「座ったら?」
そう言いながら私はティーバッグの入ったカップにポットのお湯を注ぎ入れる。
コーヒーにシュガーに、ミルク。
いちおうひと通りは揃えられているみたいだった。
大きめのソファに座りこんだ息子は落ち着かなさそうにキョロキョロと眺めている。
いつもの息子ならスマホでも弄りだすのだろうけれど、きっと初めて来たのだろう。
物珍しそうな様子の息子をみると、まだまだ幼いと思う。
背丈だけは何年も前に私より高くなったけど、やっぱり男として見る事なんてとても出来そうにない。
テレビをつけてみると、普通のテレビ番組が流れていた。
ごく平凡なワイドショーで、首相の疑惑の話題をしている。
アダルトチャンネルだったら気まずくなるから、少しほっとした。
一口少しコーヒーを飲んだけど、何だか味が分からない。
どうしても気持ちが落ち着かないのだろう。
シラフでこんなとこに来たのは初めてだった。
いっそお酒でも飲んでしまおうと冷蔵庫から缶ビールを取り出す。
プルタブを開けて唇をつけると冷え切った苦みが口に広がる。
アルコールは脳にボヤっと微熱を加えてきた。
こんな明るい時間に飲むなんて初めてだった。
息子はもちろんお茶のまま。
運転手だし未成年だし。
特にこれと言った話なんてしない。
こんなとこでぼんやりと興味もないテレビを見てるなんて、何だか滑稽な気もした。
何で息子は母親とこんなところに入ろうって言いだしたんだろう。
「ねぇ」
「……うん?」
「……どうしたいの?」
「えっ?」
少し驚いた顔で息子は私を見つめてくる。
何だか期待を込めたような眼差しで。
「カラオケとかあるみたいよ、ここ」
そう言ってテレビの傍らに架けてあるマイクを指すた。
さっきの期待感に満ちた声を誤魔化すように息子はそうなんだと呟いた。
バカね。
どうもこういうところがしっかりしてないんだから。
もちろんこの部屋に入ってきた時からある程度覚悟はしていた。
結局最後には……かもって。
そうなってしまうというかせざるをえなくなるというか、なんていうか。
自分でもその予感はうまく言葉に出来ないんだけど。
息子はこの期に及んでハッキリが苦手のようで、まだどうすることも出来ないみたい。
正直言っていきなり押し倒されるかもって恐れてたのがバカみたいだった。
「せっかくだしお風呂入ってくるわ。ここ温泉みたいだし」
手にしてた一枚パンフをかざして息子に言う。
広い洗面所には二人分のゆったりとしたバスローブが架けてある。
ひんやりした空調が火照った肌には少し肌寒い。
家に比べてかなり広くて、そしてガラス張りの水槽みたいにさっきの部屋から見えるようになっていた。
今さら息子が見てようと構わないけれど、さすがにこの状態だと恥ずかしい。
部屋に残った息子はまだソファに腰かけているけど、チラチラとこちらを窺う視線を感じる。
息子の視線は気にしないようにシャワーを浴びると、バスタブにそっと身を浸した。
足を伸ばせる広さなのが良い。
ジェットバスだというので、脇にあるボタンを押すと音が上がって泡が上がり始めた。
湯船に首をもたげて天井を見上げるとバスルームの白い蛍光灯が眩しかった。
もしかしたら息子は入ってくるかも、と思っていたけれど遂に来なかった。
バスローブ姿で部屋に戻ると、さっきと同じように彼はテレビを眺めていた。
「あんたも入ったら?」
あえて私からそう促してみる。
ここに来た時から内心ずっと迷っていた。
ただゆっくりとバスタブに浸かっている間に自然と覚悟は出来ていた。
諦めがついたという方が近いかもしれない。
その言葉に少し驚いたようだった。
しばし逡巡していたけれど、意を決したように息子も立ち上がる。
息子が脱衣所で服を脱ぎだしたようだ。
バスルームの照明が煌々と輝いてこちらからは眩しい。
少しして裸になった息子がバスルームに現れた。
さっきの私と同じようにこちらを見ようとはしない。
息子を覗いているような変な気持ちにもなるし見ていられなくなった私はベッドルームに向かった。
そして灯りを消した。
「こっちに来て」
部屋に戻ってきた息子に寝室からそれだけ声をかけた。
それ以上なんて言えばいいのか分からなかったし、何か言葉を発すれば声がかすれてしまいそうだった。
薄い枕元のライトを頼りにおぼつかない足取りでこちらに近づいてくる。
痩せた息子の身体にはバスローブがだぶついて似合わないと思う。
近づいて来た息子は一瞬ハッとしたように立ち止まった。
ベッドで待っていた私が裸だったからだろう。
決して彼に見合うような若い女じゃないけれど、息子は固まったようで言葉もないようだった。
若い息子に私がどう映っているか気にはなった。
幻滅してその気が無くなったのならそれでいいと思う。
けれど決して彼は私の躰から目を逸らそうとしなかった。
見せつけるように私は両足をゆっくりと開いていく。
昔、ちょうど分娩台で彼を産んだ時みたいに膝を立てて。
「緊張してる?大丈夫?」
ベッドの脇に来た彼の手を取って、傍らに座らせる。
微かに震えている息子は何だか怖気づいているみたいにも思えた。
最後に気持ちを確かめ合おうと思って手を握る。
息子は唇を噛んだまま何かボソボソと言ったけれど、聞き取れなかった。
「……やっぱり止めておく?」
そう問うと息子ははっきりと首を小さく振った。
彼の肩に手を掛けてそっとバスローブを脱がしてやると、細身の肩からそっとはだける。
そっと彼の身体を抱き寄せると、身体を触れ合わせた。
細い見た目と違い、触れると堅い肌と筋肉の感触。
「母さん……」
その時息子がそう呼んだ声の響きからもう私を女として見ているんだと分かる。
アルコールはもうすっかり覚めてしまっていた。
心臓の奥がドクンと脈を打って血液が全身に行きわたっていく。
身体が息子に抱かれる準備を始めたのが分かる。
あるいは息子の声によってそうさせられたのかも。
自然と息子から顔を寄せられて唇を合わせていた。
キスするかどうかさっきは悩んでいたけれど、すっと受け入れていた。
随分久しぶりのキス。
心地良いと心から思う。
息子の唇の隙間から流れ込んでくる呼吸が荒いのが伝わってくる。
私もそうだったと思う。
息子にされる愛撫は夫や昔の恋人たちと全く違っていた。
不慣れで不器用だからか手や唇で触れられると何だかくすぐったいような感覚になる。
母親としてあまり身を委ねる事自体が恥ずかしいという思いもあった。
「強くしないでよ……跡になるから」
首筋にキスしてきたのでわざと母親らしく説教ぽく言ったのに、息子はあまり気にしてない風だった。
それよりもずっと夢中になっているように。
心臓の鼓動はますます高鳴るだけじゃなくて身体の奥が温まってくるような熱が出てきた。
十数年ぶりに息子に乳を吸われるだけでますます熱くなってくる。
濡れてきてる、と実感した。
今まで一度も息子に聞かせた事のない高い声が漏れてしまう。
最初は絶対にこんな風に声を上げないようにしようと思っていたのにもう諦めていた。
息子の指が私のそこに伸びてくる。
ゴツゴツとした骨ばった指が秘裂に触れてくると快感が走ってくっと足首まで力が入ってしまう。
水音をたて濡れていることは恥ずかしかったけれど、息子の指が擦る様に動くうちに気にならなくなった。
息子の堅い手に手を重ねて強く握りしめる。
指先を少し入れられるだけで頭が真っ白に痺れるような感覚に襲われてしまう。
「ゆっくりね、ゆっくり……」
そう声を掛けると息子は聞いているのかいないのか、二本三本と埋めてくる。
「あぅんっ!」
自分の指では感じられない感覚に思わず大声を上げてしまう。
入ってきた指先はすぐに胎内の壁を擦る様に刺激し始めてむず痒くなってきた。
すごい声を出してしまった気恥ずかしさで私は内心動揺したけれど、構わずに息子は私の膣内を探る様に指で擦り続ける。
私が本当に感じたことに興奮と喜びを覚えているようだった。
気付いた時には息子に弄られたまま夢中でキスを繰り返していた。
舌を伸ばして絡ませ合ったまま、息子の頭を抱きしめる。
片時も離れる事も無くただひたすら彼の愛撫に喘ぎ続けている。
自分も彼にしてあげなくては、という事も出来なくて生まれて初めてというくらいの快感と興奮の虜にされていて。
夢中になっていた私はつい堅くなった彼のペニスを手に取り、自ら求めていった。
そして瞬間が来た。
私たち親子が一つになる刹那。
彼を産んだ日の事を私は思い出した。
2001年12月13日。
それが息子の誕生日だった。
小雨の降る寒い日、近所の買い物帰りに陣痛が来て自分で運転して行ったあの病院。
そこからは必至で記憶も途切れがちになったけれど、疲れ切った体であの日聞いた息子の産声を思い出す。
お医者さんや看護婦さんに囲まれたままじんわりと達成感を覚えた時のこと。
そうだ、彼はたしか3030グラムだった。
ちょうどキリが良いなと思ったものだ。
あの日、今日ここにいたるまでの道を歩き始めたんだろうか。
もちろんその時はその場にいたそんな事は思いもしてなかったけれど。
彼を育ててきた年月も色々な出来事ももしかしたらこのためにあったんじゃないかとさえ思った。
こんな風になるなんて夢にも思っていなかった平凡でどこにでもある親子の人生が、こうして交わるなんて。
「現実は小説より奇なり」
息子が私の胎内に入ってきた時、誰かの言葉が脳裏に蘇った。
赤々と燃える息子の若い肉体が入り込んできた時、灼けてしまうんじゃないかとさえ思った。
息子と私が触れあったそこは焦げるほどに熱く、全身まで燃えてしまいそうだった。
入ってきた瞬間に金切り声のような叫びをしてしまうほどに。
何だか彼を出産した時と似ているようにも思える。
彼を産み落とそうと必死に息んだあの時と大きく育った息子の若い肉の芽が入り込んでくる今が重なっていく。
驚くほど息子のペニスはひどく堅くて膣内が広げられていくのが分かるほどで、もう何も考えらなくなった。
獰猛な蛇に胎内を食い破られてしまいそうだと被虐的な妄想にも囚われる。
声を上げる間にも唇を求めて息子を強く抱きしめるとこのまま死んでもいいと思うくらい、息子とのセックスに飲める込んだ。
恥ずかしさも躊躇いも悩みももう何も無かった。
おそらくそれは相手が実の息子であるという繋がりがあったからこそだった。
私と息子の人生は今ここに結実しているとさえ。
息子の堅さが熱さが激しさが形となって自分に注ぎ込まれてくるような気になった。
(本当に彼は若いな)
40歳を過ぎた私が失ったものがまるでひと時蘇ってくるよう。
元々熱した棒のようなペニスが胎内でどんどん堅さを増してきたと思ったら息子が何か声にならない声を上げた。
中に入っている息子のペニスが私の中で何度も脈打ちながら痙攣して、熱いものがあふれてきて。
息子が中に出したんだと分かったけれど、ドクンドクンと何度も震えているのが分かる。
妊娠してしまうなんてことは全く気にならなかった。
射精したペニスは徐々に萎んでくるので膣内の圧迫感が薄らいでくる。
ぜんぶ終わったんだと実感した瞬間、何ともいえない安らいだ心地になった。
こうなる事はずっと前から決まっていた事にさえ思う。
それくらいに気持ち良かったし、本当に素晴らしいセックスをしてくれた。
生まれてきて良かったし、息子を産んで良かったと思った。
まだ快楽の余韻は冷めやらず、微睡むように彼を抱きしめる。
身体の奥にまだ息子の堅さが幸せな残響を残っている。
ぐったりと傍らに倒れ込んだ息子に寄り添ってもたれた。
それもごく自然な事のように思え、そのまま短い眠りに落ちていく。
息子と近親相姦をした。
それは想像していたよりもずっと重く、そして甘く離れがたかった。
同じ血を引き、私の名前を一文字引き継いだ息子。
そんな息子を一人の男として以上に特別な関係を持った。
恋愛感情でも肉欲でもない、本当に特別な。
ホテルに入るまでとは全く違う人生を見せてくれた。
失いかけていた若さと無限の可能性を私に分け与えてくれた。
不思議なことに私は息子に愛を教えてもらったようにさえ思った。
あんな体験が出来て良かったと素直にそう思えた。
眠る息子の手を握り、私は祈る様に額を押し付ける。
「ありがとう……」
自然と涙が滲んできた。
息子とした近親相姦によって、そんな風に思わせられるほどの心境にさせられた。
一度経験するのと一度もしたことが無いのとは全く違う人生なんだと。
どちらが言えないけれど、息子とあんな風になれて本当に良かったと私は思う。
他の誰であっても経験できない感情や欲情、過去の全てのセックスが色褪せてしまうほどの体験だった。
もちろん肉体的に息子とのセックスによって得られた快感は素晴らしかった。
それだけじゃなく若い息子にまるで大切な女のように扱われるだけでくすぐったくも心地良い。
普通では絶対にあり得ないはずの実の息子と再び一つになる行為。
自分が産んだ息子を再び子宮に受け入れる……肉体がピッタリと重なった時に得られる一体感、自己肯定感は親子だからこそ得られる感覚だった。
どうにも説明できない安堵感や多幸感さえもあった。
息子と遂に一つになった時、肉体的なものより精神的な快感が全身を駆け巡っていた。
若い息子の人生に無理に居座って邪魔しようなんてまったく思わない。
息子が幸せな人生を歩めるよう精いっぱい彼を励まし見守ろうと願う。
彼を愛した女として、母親として。
完
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