これはちょっと特殊な小説でして、当時掲載していたブログで予約投稿(あらかじめ決められた時間に閲覧可能になる投稿)を使い、10日間ほどかけてちょっとずつ母親と息子の関係が進行するという感じに書いてみたものです。
「新生活」
2010年3月21日 23:01
僕の話を聞いてほしい。
今からちょうど2カ月前のことだ。
僕は推薦で進学先も決まっているため、後はただ卒業式を控えているのみだあった。
その頃両親の夫婦仲が悪くなっており、ある日の夕食後両親からしばらく別居するという話を聞いた。それを聞いても春から進学のために一人暮らしを始める僕にとっては直接関係のある事ではなかったけど、その突然の話にはもちろん戸惑った。
そうなる兆候は感じていたけど、それはどこの家でもありうる話だと思っていたしそこまで逼迫した状況だとまでは認識していなかったからだ。
母が家を出ていく、ということで急な話を僕はどう受け止めて良いのか困惑したが、本当にすぐに荷作りを始めた母の姿を見ているうちにこれは絶好の機会ではないかとも思った。
僕にとっては母は子供のころからずっと特別な女性だった。大人しそうに見えて芯の強い母は厳しく、そして優しい理想的な母親だと思っていた。美貌、とはいかなくても整った顔立ちもしていたし、若いころははっきり美人の部類に入っていたのじゃないかと思う。
いつしか僕は思春期を過ぎたころから母を女性として見ていたのだ。
そんな僕の思いを母は気付いているかは分からない。ただせめて僕のこの思いだけは知ってほしい。僕の何年も温めていたこの思いを母に伝えたい。そのためにはこのゴタゴタは絶好の機会なんじゃないのかと思うようになっていた。
だから家を出て母が一人暮らしを始めるこの春がそのタイミングに一番良いと思う。いや、もう後回しにはしておけない。それは明後日、引っ越しを手伝って母が新居で暮らし始める明後日でなくてはいけない。
結果がどうなろうと僕はきっと後悔しないだろう。
いや、結果がどうなろうと僕はいつか後悔するかもしれない。
そして結果がどうなろうときっと母を悩ませてしまうことになるだろう…。
母は精神的に追い込まれないだろうか。苦しませてしまうだろうか。
母の心にどう影響を与えるかが心配だった。
赤の他人なら忘れてしまえるが、親子である以上その関係性は一生続くのだから。
しかし、家庭内で湧きおこった恋愛感情を解決させるのに、全てが丸く収まるはずなどきっとないのだと思う。
まして親子の間でありながら恋慕の思いなんて言語道断だろう。
それでも、僕の思いは止められない。
僕のこの思いを母が知らないまま一生が過ぎ去ってしまうのなら、何のために僕は生まれてきたのだろう?
2010年3月22日 22:15
今日母のほとんどの荷物を運び終わった。
一週間ほど前から何度も母の運転する軽に荷物を積み込んでいたが、それも今日までだ。
後は細々した日用品を持って、明日母自身も引っ越していくだけだ。
今日僕はいくども母の姿を目に追っていた。
おそらくこの家で過ごす母を見る事はもう無いだろうと思うと感慨はひとしおだった。
どうしても明日の事を思うと僕は心臓が止まりそうなほど、鼓動が早くなってくるのを感じた。
明日、母は僕の言葉を聞いてどんな顔をするだろう?どんな反応をするだろう?
母親として、息子に愛をぶつけられることは一体どんな感情を呼び起こすものなのだろう?
…やっぱり悩ませ、苦しませてしまうのだろうな。
そう思う。
ではどうすればいいんだろう?
…やっぱり言うしかないじゃないか。
しっかりしろ。
馬鹿みたいだけど、今はそう自分に言い聞かせるしかない。
今夜はもう寝よう。
2010年3月23日 7:23
昨夜はあまりよく眠れなかったけれど、思った以上に早く起きた。
ベッドから身を起こして、今このパソコンに向かっていても今の自分の母への思いが間違っていない事を確信している。母親への思いが錯覚であることなどないだろう。
その形が間違ってしまっている事は分かっている。それでもこのままにはしておけない。
今日一日の事を考えると僕のこれまでの18年間など吹き飛んでしまいそうな気になってくる。何もかも燃えて崩れ去っていくようなことになってしまうのだろうか?
それでも僕は今日母に告白する。
それからどうなるのかは分からない。
ただただ、この思いを宙ぶらりんには出来ない。
昼前には母は家を出ていく。
僕はとりあえず新居まで行って、それからまた実家にバスで戻ってくる。
その今日の流れは間違いない。
その中で何がどうなるかはもう知ったことじゃない。
2010年3月23日 20:08
今も、身体が震えている。
頭の中がぐちゃぐちゃして整理できない。
僕はいったい何をしてきたのだろう。
何であんなに母を悲しませるようなことを言い出してしまったのだろう。
止めておけば良かった。
言わなければ良かった。
10時過ぎに母の運転する車に一緒に乗って行った。
40分ほど少し離れた市の国道から少し入ったところが母の新居だった。
母はこれから起こることなど何も知らないから、普通にトランクの荷物を運び出している。
とはいえ日用品などちょっとしたバッグに入るモノばかりなので、僕が肩にかつげばそれだけだった。
すでにガスが通っているため、母は着くとすぐにちょっと早い昼食の支度を始めた。
僕はエプロン姿の母の後ろ姿を見ていると、唾を飲み込む思いだった。
何年も前に母の身長は追い越していたけど、こうして見ると母の背中からは母親としての威厳のようなものが漂ってくる。これから母親に言うべきことのせいかもしれない。
僕は呼吸を整えると母のすぐ後ろに立った。
母はしばし気付かないで、まな板の上の野菜を刻んでいる。
僕の好きなチャーハンを作るために、ネギを取りだす。
そんな母の手つきをみていて、あまりの邪気の無さにこれから自分が言おうとしていることの重大さが忌まわしく思えてくる。
気配を感じ取ったのか母は一瞬驚いたような表情で振り返った。
「どうしたの?」
母は何の気もなしに聞いてくる。
僕の様子がいつもと違う事に気付いたのかもしれない。
「あのさ、母さん…」
そう言って僕は母の瞳を真っ直ぐに見つめた。
あぁ、僕はまぎれもなく母と見つめあっている。
それだけで僕の心には今までにない昂りが湧きおこった。
そして何も言えないまま母を抱きしめていた。
「…ちょっと…何してるのっ…」
そう言われても僕は何も言えなかった。
ただただ強く抱きしめる。
母は困惑したように僕に言う。
「どうしたのよ…?」
「母さん…僕はずっと…」
母は何も答えなかった。
ただそっと持っていた包丁を後ろ手でまな板の上に置いた。
いつの間にか、僕は母が容認してくれたのではないかと思った。
それが早合点であることに気付いたのは一瞬離れた時に母が涙をこぼしていることに気付いた時だった。
一瞬の静寂、瞬間的な思考。
そして僕は自分の思いが伝わったことの喜びよりも先にしでかしてしまったことの重さに頭を殴られるような思いだった。
それから母と二人で何も喋らずに二人でテーブルに向き合って母の作ってくれたチャーハンを食べた。僕はいつもそれだけでは足りないので、レトルトだけど餃子も作ってくれていた。その餃子が今日もあったので、なおさら僕はみじめな思いだった。
少しも味がしない。
母は時折目が合うと、少し強張った表情だが、かすかに微笑んでくれた。
それから予定よりずっと早く僕は実家に戻る事になった。
別れ際母はバス停まで見送ってくれた。
僕は母に与えたショックと悲しみでこれをきっかけに親子の縁が切られてしまうのではないかと思って怖くて母の顔が見られなかった。
バスを待っているわずかな間、母は呟くように言った。
「もう言わないでね。私も忘れるから…」
僕はどう言ってよいのか分からず、ちょっと黙ってしまった。
そしてそれでも自分の思いがブレていないことを確信していたから。
「いや…忘れないで。僕は母さんがずっと好きだった」
それだけ言うと母はうつむいてしまった。
やがてやってきたバスに乗り込み、バス停に立ちつくす母をふと見ると目元を拭っているのが見えた。
また泣かせてしまった…ガラガラの車内の母から見えない座席に腰を下ろすと僕は前の背もたれに顔を押し付けて塞ぎこんだ。
2010年3月24日 19:41
今日は一日何も手に付かなかった。
どうしても昨日の事が思い起こされる。
母を二度も泣かせてしまったこと、母から何の連絡もない事…。
それは僕をひたすら落ち込ませていた。
思いを伝える事が出来た達成感などそれに比べたら大した事ではなかった。
2010年3月25日 9:10
遅めに目を覚ますと春の陽気からか背中が汗ばんでいた。
いや、さっきまで見ていた夢のせいかもしれない。
母の夢を見ていたような気がする。
どこか…遠い昔の記憶だけど思い出せない。
あれはいつの事だったろう?
起きていくと、父が自分の食べる朝食の手のついでに作って行ってくれた朝食がある。
僕はそれをただ食べた。
父には悪いが少しも美味しくなかった。
ついこないだまで母の作ってくれた朝食を思い出そうとしたが、不思議な事に何も思い出せなかった。
2010年3月27日
あれから4日。
また母の夢を見た。
あれは僕が小さかった時の夢だ。
どこか…今は無くなってしまったデパートに買い物に連れて行ってくれた時の話だ。
あの頃僕はまだ小学校に上がって間もないころくらいだからずいぶん昔の話だ。
混み合っていた食料品売り場でいつしか僕は母とはぐれてしまったのだ。
今思えばちっとも広い売り場でもなかったのに、少年だった僕には広大に思えたのだろう。
気付かない内に食料品売り場を出ていた僕は気付いたら従業員事務所に連れて行かれていた。
「すぐお母さんが来てくれるからね」
そう言ったおばさんの店員の言葉に頷いたことを今も覚えている。
しかし、あの時もすごく不安だった。
僕がいなくなっているのに、気付かずに母が帰ってしまっていたらどうしようと思ったら不安でどうしようもなかった。
今思えばそんなはずがないと思う。
自分の子供をどこかに連れて行って、忘れて一人で帰ってくるなんて無責任な父親ならともかく母親なら絶対にしない。
それでもその時の僕にとってはどうしようもなく不安を覚えさせた。
僕は泣かない子供だったから、その時も頷いて落ち着いているように見えたかもしれない。
ただ心の中は不安と悲しみでいっぱいだった。
母と離れていた時間は10数分だったろう。
事務所で待っていた時間は本当に数分間だったと思う。
いなくなった僕を必死に探して汗だくになった母が事務所に駆け込んできたのを僕はそれをとても大切な思い出として覚えていた。
そうだ、二日前に見た夢はこの時の出来事だったはずだ。
…なんでこんな大切な思い出を忘れていたのだろう?
2010年3月28日
今日も目が覚めても僕は死んだように何もする気になれなかった。
昨日の内に自分の引っ越し先に荷物は既に送ってしまったため、今日から新居に住む事になっている。
しかし、目を覚ました僕は携帯に着信メールが来ている事に気付いた。
慌てて飛び起きて、すぐ送り主を確認する。
…たしかにそれは母からのメールだった。
「ちゃんとご飯を食べてる?」
「洗濯物は溜めていない?」
「引っ越し先のあいさつ回りは済んだ?」
そんないつものように細々したことだった。
それでも僕には嬉しかった。
大丈夫。
ご飯は食べているし、洗濯も溜めていないし、引っ越し先のあいさつ回りに配る贈り物はもう買ってある。
大丈夫だから…。
そして今日中に新居に引っ越すとメールを送った。
午後、父と二人で引っ越し先でのあいさつ回りをしてから近所で昼食を済ませた。
父と二人で食事なんていつ以来だろう?
もしかしたら…初めてかもしれない。
父は僕の新居を少しだけ見て、家具の配置など細かいことを少し話してから頑張れよと言って帰って行った。
そして今、真新しい部屋でこの文章を打っている。
なんとなく孤独感を感じるけど、その内に慣れてくるだろう。
今日中に無事に引っ越し先のあいさつ回りを済ませたと母にメールを送ったので、もう眠ろう。
なんだか疲れた。
2010年3月29日 21:16
今日中にだいたいの荷物をほどいて、新しい生活を始める準備は終わった。
大した荷物など元々ないから、せいぜい持ってきた家電をセットしてくだけだ。
また今日の午後になって母からメールが来た。
明日の午前中にこの新居を見に来るのだという。
それから一緒に昼食を食べようと言った。
僕はもう心の中に何のわだかまりもなかった。
落ち込んでないと言ったらウソになるが、いつまでも引きずっていられない。
どんな結果になっても後悔しないと誓ったじゃないか。
いや………何も言わないでおこうと思う。
心の中に秘める思いはまだあるけど、明日は明日になってみないとわからない。
2010年3月30日 22:24
3月30日。
僕は今日のこの日を一生忘れないだろう。
今日母はどんな思いで僕の新居を訪ねてきたのだろう。
思えば、あれから一週間経った。
一週間の間に母の心にどんな思いが去来したのだろう。
僕の部屋のドアを母がノックしたのが午前9時過ぎだった。
一週間前のことなどなかったのかのように母は自然な表情で微笑んでいた。
その時言葉には出来ない何かが起きそうな予感を僕は感じた。
部屋に入ってくると母は少しだけ部屋を見回していた。
「けっこう綺麗に片付いているのね」
そう言いながら奥の和室に入って行った。
窓からの光は眩しいほどで、春らしい天気だった。
陽光の中で母は溶けて消えてしまいそうだった。
その時母は振り向いた。
心なしかはにかんだように微笑んでいたが、何も言わない。
「あれから…何を考えていたの?」
「…母さんのことばかり考えてた」
素直に答えるしかなかった。
たしかにこの一週間は母の事ばかり頭に浮かんで仕方なかった。
母はうっすらと涙を浮かべていた。
「馬鹿ね。そんなこといってどうするの」
「…しょうがないじゃん」
「なにがしょうがないのよ」
「好きなんだからしょうがないじゃん…」
陽光照らす部屋の中母は窓際に立ちつくしていた。
僕は近づいて、母の脇に立ちカーテンを閉じる。
急に暗くなった部屋で母を見ると気付いたら母が僕を見つめている事がわかる。
薄暗くなったから見えないけど母は少しだけうつむいているようだった。
僕は母を抱きしめる。
「好きだ」
それしか言えなかった。
その時母は顔を伏せたように見えた。
それは僕の言葉に頷いたようにも見えたし、涙を見せまいとしたようにも見えた。
確認すべきでない、と思った。
それが、母親に愛を告白した息子としての礼儀ではないのかと思った。
「シャワーだけ浴びさせて…」
僕の腕の中で母は呟くように言う。
僕は一瞬耳を疑った。その言葉が意味する事と、母がそれを言った事の意味を考える。
それから母の想いに応えるため、僕はおとなしく母の身体の感触を惜しみながら離れる。
母はうつむいたままだったから表情を窺えなかった。
手提げバッグを置くと母は脱衣所に消えて行った。
やがて聞こえてくる水が流れる音。
母が、今シャワーを浴びている。
僕に、抱かれるために。
実の息子である僕に抱かれる決心をつけてくれたことに。
僕は何も思う事が出来ない。
ただひたすらペニスが硬く勃起してくる。
やがて扉が開かれる。
髪を下ろした母がバスタオル一枚で部屋に入ってくる。
その間に僕は雨戸を閉め、ほとんど光が差し込まない部屋になっている。
ほんの僅かな隙間から光が差し込んでくる薄暗い光にバスタオル一枚の母が入ってきた。
ベッドに腰をかけて、すぐ隣息遣いを感じられるほど近くに母がいる。
少しの光に照らされて母からほのかな香水の匂いを感じ、髪もブラシとヘアードライヤーでよく整えられていた。
シャワーを浴びてからもう一度化粧もやり直してくれたのだろう…僕のためだけに。
あの母さんが…僕に抱かれるために準備してくれて、今こうして隣り合って座っている。
母は何も言わずに布団をまくり、ベッドに入ってきた。
すぐに僕もベッドの脇に服を脱ぎ捨てて掛け布団をまくって母に寄り添うように入って母の肩を抱き寄せる。
いい香りがする柔らかく温かい母の身体の感触を噛みしめながら顔を近づけ母と唇を重ねる。
キスの時も母は顎を引いていたが、たしかに唇を重ねようとしてくれていた。母親とキスしているというだけで、興奮は昂っているのに母が受け入れてくれただけで僕は充分満足だった。
母のバスタオルがはだけ、母の裸の乳房と乳首の感触が僕の胸に触れる。
母の首筋に顔を埋めて、母の匂いを胸一杯に吸い込む。それから首、肩に唇を移していき、やがて母の乳房に顔を押し当て、柔らかさを感じる。
それから先端の尖りを口に含み、舌で転がすと初めて母は小声でため息を漏らした。
「はぁ…ぁ…」
聞こえるか聞こえないかくらいの声の大きさに母の自制心を感じた。
しかし抑えてはいてもたしかに母が僕によって感じてくれている…それはたとえようもない感動を得られた。
ただ自分の想いに応えてくれているだけでなく、母がたしかに僕と一緒に親子の一線を越えようとしているんだと感じられた。
それから二人とも裸になり布団の中で抱きしめあった。
母からもたしかに両腕が僕の身体に回され、はっきりと母の体温と鼓動と、決意が伝わってくる。
静かな部屋の中にはかすかな真新しい部屋の空調の音だけがなっている。
そこに全身を僕にキスされながら少しずつ漏れている母の声が聞こえてくる。
初めは遠慮がちだった母のため息のような声が徐々にはっきりとしたものになってきた。
そして母のそこを産まれてから十数年ぶりに間近に迫った。
母は抵抗こそしないものの、本能からかまだわずかに残っていた理性からかなかなか両脚を開こうとしてくれない。
僕が母の両脚の太股を片腕で開かせるように持ち上げると、ゆっくりそこは開かれていった。意識してはっきり見つめた母のそこはネットの無修正画像などで見た女のそこよりもずっと綺麗なものだった。
自然な事のように誘われるように母のそこに唇を押し当てる。
唇が突いた瞬間母は太股の肉を震わせたが、かまわず舌を割れ目に這わせる。
「あっ…あっ…あぁ…」
その声は明らかに母のあえぎ声だった。
ずっと夢見てきた女性のそこ。しかも実の母親のそこにこんなことをしていると思うとたまらなかった。
その内に割れ目の端にたしかに小さな隆起したクリトリスに気付いた。
そこを意識して口に含み吸い続けると舌を使い転がした。
「あっ!あぁぁっ!…いっ…いぃぃ…い…」
母は少しずつ声が高くなり、太股を震わせて力が入りだす。
やがて僕の頭を押し返すように手で押してきたので、母の絶頂が近いんだと分かった。
母さんをいかせたい…その一心で集中して舌を出来るだけ早く母のクリトリスをはじき続けた。
「いいっ…!いいっ!いい~!…いきそう……………いくっ…!」
やがて舌を締め付けるほどの締め付けを感じると母は下半身をぶるぶるとふるわせていたと思ったら強くピーンと突っ張らせていた。
それが産まれて初めて見る母の絶頂だった。
「はぁ~~………はぁ~………」
母は両眼を片腕で覆って肩で息をしている。
実の息子である自分が母のそこを愛撫し、絶頂に導く事ができた。
そのことは僕にとって勇気づけられ、背中を押されるものだった。
腕で覆ったままの母の上に覆いかぶさり、もう一度キスをした。
母の愛液の味を二人で分け合い、母は一度絶頂に導かれた事で吹っ切れたように舌も絡めてくる激しいキスをしてくる。
「……ん……」
母が小さな声を漏らす…股間に押し当てられた熱く固くなった僕のペニスの感触を悟って。
「母さん………」
僕は産まれてから今この時までの母との全ての思い出が一瞬にしてよぎるような気がした。
幼稚園の頃、小学校の入学式の日の母、卒業式の日、中学校の制服を一緒に仕立てにいった時の事、高校の入学式の日…そして今。
すべてはこうなる時のために母は僕を産んでくれたのかもしれない。
母さん……。
先端が母の割れ目に触れると一気に吹っ切る様に押し込んだ。
「………っ!………あ…」
母は静かに目を閉じたまま僕自身を受け入れてくれた。
ついに母と二人で一線を越えて…母は僕の腰をつかむように手で強く握ってくる。
眉間に皺を寄せ、力いっぱい僕の腰をつかんでくる母を僕は自分自身で貫くように激しく何度も何度も何度も何度も突き続けた。
「…あっ!あああっ!…はぁっ!ああっ!…」
突かれるたびに母は喘ぎ声を漏らし、僕と呼吸を合わせるように腰をくねらせている。
母の唇に吸いつき、舌を絡めあいながら腰の速度を速めていくと母も終わりが近いことを悟ったのか自ら腰を降り始めた。
激しく腰と腰がぶつかり合う音がし、肉と肉が生々しい甲高い音を立てていた。これがセックスの音なのだと初めて知った。
「…母さ…っ!」
こみ上げる思いが一気に昂り、爆発するように何とか母に囁くと母はたしかに頷いてくれたように思った。
こうして僕はついに母の胎内に射精することができた…。
それから僕たちは起き上がると、二人でシャワーを浴びてから喉を潤した。
母は戸惑いと迷いと心の整理がまだついてないまま、今日部屋に来た事をその時初めて聞いた。
僕はいまさら何も言う事は無かった。
二人は黙ったままでしばらく時間を過ごした。
それから着替えて外に出て二人で昼食を済ませると母は帰って行った。
「また来るからね」
そう言い残して。
それから6時間以上経っても、僕はまだぼんやりとしている。
2010年3月31日 20:56
今朝9時過ぎに部屋のインターホンが鳴らされた。
部屋を訪れてきたのは母だった。
玄関を閉める間も惜しむように僕らは何も言わずに抱きしめあった。
それから僕たちはさっきまでずっと母とベッドの上で時間を過ごした。
流れて行く時間は1時間が1年のようにも1分のようにも感じられるほど感覚が希薄になっていった。
多分それは母も一緒だったと思う。
ひたすらただただ僕は母にのめり込んでいくとともに、母は身体をくねらせ汗ばませながら熟れていたその肉体を僕のために短期間で急激に実らせていった。
朝に母が訪ねてきてからすぐに母をベッドに差し込むと繋がり始めた。
一体いつまで今日は続くんだろう。
一体いつまで僕たちの関係は続くのだろう。
今は何も分からない。
ただただひたすら僕たちは求めあい繋がって達しあった。
そして今、母は僕のベッドでようやく眠りについた。
2010年4月1日 11:24
昨夜結局母は泊まることになった。
何度僕は母を抱いただろう。
さっきようやく母は着替えて髪を直すと自分のアパートに帰って行った。
昨日あれほど愛し合い、好きだなんて囁きあったところで彼女は僕の母であり僕は彼女の息子であり続けるしかない。
「ご飯を食べるように、洗濯ものを溜めないように、大家さんに挨拶をするように…」
母はまた別れ際そんな事こまかなことを話していた。
そんな細々した事を話したのは昨日の空気を引きずらないように照れ隠しだったのかもしれない。
まだ真昼の明るい光が差し込んでくる僕の部屋にはまだ母の残り香が残っている。
ふと僕はキッチンの片隅に一つ花瓶が立っている事に気付いた。
あれはたしか昨日母が持ってきたもののはずだ。
シンプルな瓶の中に半分ほど水が入れられていて、桜の小枝が活けられていた。
蕾が開き、今まさに最も美しく咲く桜が暗い台所を華やかに輝かせている。
あの桜はたしか実家の庭に植えられていたものじゃないかと気付いた。
キッチンの窓はわずかに開けられていて、差し込んでくる風に桜の花びらが揺れている。
僕はこの光景をきっと一生忘れないような気がした。
(完)
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